技アリな句読点の使い方

2016-10-08_123927

句読点の使い方には、一定のルールがありますが、文体によっては、あえてそのルールを崩すことで、表現のリアリティーをもたせたり、文体のリズムを変えて、雰囲気を変化させるといった使い方が行われます。

 

これは、文法上の句読点の使い方の正誤というよりは、文章表現上のテクニックといったほうがいいでしょう。

 

本来の「正しい日本語」としては思わしくないものもあるのでしょうが、工夫された句読点の区切り方が、その場の世界観を変化させる役割を担っているわけです。

 

こうした手法は、小説などの文芸作品において、よく見かけられます。

 

句読点が登場人物の性格を表現する

 

例えば、

 

「僕、田舎育ちなもんで、あまりしゃべるのは得意じゃないんです。」

 

こんなセリフが書かれていても「ああ、そう。」ですよね。特に訥弁とか口下手という印象を実感できるものではありません。

 

「僕、田舎育ち、な、もんで。あんまり、しゃべるの、は、得意じゃ、ないん、です。」

 

こうした区切り方をすることで、ぽつりぽつりと話す様子が表現できます。

 

句読点が登場人物の状況を表現する

 

類似の例で、

 

「姿が見えたから、慌てて追いかけたんだよ。間に合わないかと思ったよ。よかった。」

 

これだけだと、走って追いついた、というよりは、

「バイクで追いかけたの?」という印象です。

登場人物の息遣いは感じられません。

 

「姿が、見えた、から、慌てて、追いかけたんだ、よ。間に合わない、かと、思った、よ。良かっ、た。」

 

こんなふうに区切ると、必死に走って追いついて、息切れしている様子が見て取れますね。

 

句読点で登場人物の心情を表現する

 

例えば恋愛小説やライトノベルなどでは、いわゆるツンデレ表現として、予想もつかない、告白に焦るシーンでも、ぶつ切りの「、」だらけの文章がお目見えします。

 

「いや、でも、その、あの、俺、そんなんじゃ、だから、その、そういう、つもりで、お前の、こと・・・は・・・」

 

とか。焦ってオロオロしている心情が「、」の数に正比例しているわけです。

(で、どっちなのっ!?と、詰め寄りたくなる読者の気持ちを煽ってますね)

 

反対に、

 

「いやいやいやいやいやいや!ないわ~!!」

 

とか、点を打たないことで全否定の強さを表現する文体も見かけます。

 

こういうのは、「いや」ごとに点を打ってしまうと、反対に、リズム感が損なわれるケースです。

句点を使わないことで、スピード感や強さが表現されているわけです。

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