句読点の打ち方を変えた携帯小説

2016-10-08_123927
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携帯小説という分野

 

モバイル端末の普及で急激にその人気を伸ばした携帯小説。

 

かつて星新一が提唱した「ショート・ショート」と同じくらいのボリュームで、電車の中で短い時間で楽しめる、気楽なコンテンツとして、スマホ時代が到来してもなお、その人気は衰えを見せていないようです。

 

なかには、携帯小説から、本格的な物語を編み出して、ドラマ化や単行本化される作品も多数現れてきており、作品を発表する無料のサイトコミュニティーも高校生から大学生をメインに、人気が高いようです。

 

CDのインディーズレーベル同様に、自作品を電子書籍化して販売するといった道も開けてきていることから、新しい作品の発表方法として今後もアマチュア作家を生み出す過程の一つとなっていく可能性が高いでしょう。

 

携帯小説という新たなジャンルは、日本語における句読点の取り扱いにも、大きな影響を与えています。

 

携帯小説の書き手というと、圧倒的に、高校生から20代の主婦層くらいまでの、若手が多いことが特徴の一つです。特に、女子高校生の間では、エッセイとも小説とも区別のつきづらい、独特の改行、改ページ、大文字表記など、これまでの「原稿用紙に一文字づつ書き記す」方法以外での表現を含めた作品群が大量にお目見えしました。

 

紙媒体時代から活躍してきた評論家たちに「文学のフリーマーケット化」と嘆かせた、まさに玉石混交の文章が氾濫するのが、携帯小説の世界です。

 

こうした書き手たちは、「、」「。」以外の「?」「!」「…」「―」「・」などを含む、広義の句読点を多用する半面、句点と読点については虐待して、改行で始末する傾向が強いようです。

 

また、携帯電話の狭いディスプレイでの見栄えを重視することから、短文を好み、接続詞を用いて長い文章を書くよりは、短い、強い印象の文体を連ねて、インパクトを与えることを好むようです。

 

「…」(三点リーダー)を多用して、文章にニュアンスを持たせることや、「―」(ハイフン、または棒線)によって、「間」を取ることも良く行われます。

また、一人称の「地の文」を2種類用いて、語り手を複数設けて「○○目線」「××目線」という区別を作り、伏線のネタバレを行う手法も良く見かけます。

 

携帯小説の場合、一般の書籍の2割から3割程度で物語が終わるような、軽いボリュームであるため、描写を省略し、やや強引な展開で筋運びをする傾向があります。そのため、ジャマな句点・読点はバッサリやられてしまうのかもしれません。

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